人生いちどきり

後悔先に立たず!美食の街、サンセバスチャンの大学院でソムリエのコースを修了後、スペイン人と結婚して現在マドリード暮らし

リオハのワイナリー見学

リオハといえば言わずもがなよく知られたスペインの代表的なワイン生産地

今回の授業ではそのリオハの中でも3つのワイナリーを見学した

3つともEstación de Haroという地区のワイナリーで、その昔フィロキセラの被害を受けたフランスのワイナリーがリオハのブドウを買い求めたときに、この駅からフランスまでブドウを運んでいたとのこと

3つのワイナリーはそれぞれ違った特徴を持っていて、なかなか興味深いツアーだった

 

1. Bodegas Roda

歴史は古いみたいだけどかなりスタイリッシュなワイナリーだった

entrada

まずはエントランスで少し話を聞いた後醸造所へ

fa

入るとふわっと樽の香りがした

設備もかなり近代的で、作業中の二酸化炭素をどうやって逃がすかとか、そのほかの換気についても慎重に練られて設計されていた

壁にはロゴと建築年の入ったコルクがところどころ入っていて、こだわりを感じた

barricas

続いて樽熟成を行う場所を見学

こちらもうまく熱を逃せるように設計されていて、無駄のない構造になっていた

bodega

こちらは別のセラー

RODAのロゴがきれいにライティングされていてブランドへのこだわりを感じる

樽の中心部が赤くなっているのはワインを途中で樽からテースティングするときにどうしても数滴垂れてしまい、シミになるのがみっともないから最初から塗っているとのこと

しかもその染料は濾過したあとに残った商品化されない部分を使っているというから何ともまた無駄のない設計

botella

最後に瓶内熟成のスペース

超当たり前だけど、エチケットやカプセルをつけていない状態で瓶内熟成させて、最後に出荷前にほこりをとったりきれいにしてからエチケットをつけて出荷するとのこと、私は今まで最初からエチケットもつけて瓶内熟成させるのかと思っていた…

RODAはそもそも4種類のワインしか出しておらず、本当はすべてをテースティングするはずだったのに、次のワイナリーに行く時間が押していたので残念ながら2つしか飲めなかった

リベラ・デル・ドゥエロにもロダはワイナリーを持っているらしく、どちらかというとリベラよりの風味を持っているとよく言われる、とワイナリーのおねえさん

リベラのほうがリオハよりも内陸で標高も高いので、もっとタンニンが凝縮されていてパワフルだと一般的には言われている

 

2. López de Heredia VIña Tondonia

こちらのトンドニアの方は先ほどとは打って変わってザ・伝統的ワイナリー

tondonia

まずは醸造所を見学

樽での醸造を行っているらしく、樽も100年くらい使ってるのかな、というくらいかなり年期が入っていた

こちらのワイナリーの売りは、やはり古いだけあって昔堀に掘りまくった巨大な地下倉庫を持っているというところ

地下倉庫だと湿度と温度がうまい具合に保たれて貯蔵に最適

bodega

樽を動かしたり作業をしている従業員何人かと遭遇して、毎日こういう窓のないじめじめしたくらいところで働くってどんな気分なんだろう…とちょっと思ってしまった

天井にはくもの巣がおぞましく張り巡らされていて、クモはワインの敵である害虫を食べてくれるのでわざと残しているのだそう

と思ったらクラスメートの肩にクモが……なんちゃって

ebro

倉庫を出るとすぐそこはエブロ川が流れていて、この川による湿気を利用しているとのこと

リオハはエブロ川の恩恵を存分にうけているワイン産地なんだよな~

sala de cata

最後にテースティングルーム

小さいながらにかなり優美な造りになっていて、ワイナリーの精神を感じる

ボトルの並べ方が斬新すぎる

こちらで2種類のワインをテースティングしましたが、ここでもタイムアウトになってしまい満足にテースティングできず…

 

3. Gómez Cruzado

本日最後のワイナリー

ちなみに3つともすべて歩いていける距離にある

gomez cruzado

入口にはこんなペイントが

入ると気分を盛り上げてくれそうな音楽が流れていて、ほかのワイナリーよりもちょっとヒッピーさを感じる

sala de cata

こちらがこのワイナリーのワイン

奥の方に見える一段上がった部分がテースティングルーム

小さいワイナリーなので場所を有効活用していた

リオハの地図を使いながらどういう位置づけをされているか説明

こちらはリオハ・アルタで大西洋の影響をより強く受けるため、リオハ・オリエンタルよりもエレガントなワインが出来上がる

その後ワイングラスを片手に醸造所と貯蔵室を見学

醸造所では今作り立ての市場に出ていないワインを飲ませてもらうことができた

フレッシュで飲みやすい

cata

最後にテースティング

こちらでは4種類すべて飲ませてもらうことができた

特に美味しかったのが一番右の白ワイン

ふくよかで深みのあるボリューム感たっぷりな白になっていた

確かブドウ品種はビウラだったと思う

ビウラも醸造家次第でいろんな顔を見せてくれるなあ

ワインはこちら↓

montes obarenes

Montes Obarenesにある畑のブドウだけで造ったこだわりのワイン

日本に輸入されているのかなあ 輸入されているのならぜひ飲んでほしい

 

 

ということで3つのワイナリーを弾丸で駆け巡った濃い一日だった

実はこのうちの1つのワイナリーについて(私のチームは3番目のワイナリー)、ガイド内容を評価するという課題がでている

マーケティングの授業の一環で、まずは消費者のプロフィール(必ずプロのプロフィール、例えばワイン評論家とかレストラン関係者とか)を作成した後細かくツアーの一つ一つの内容をチェックし、その後どういった点に気を付けるべきか、どういった点をどうよくできるかなどをワイナリーに向けるていでプレゼンと調書を作成しなければならない

だがしかし各ワイナリー担当者/引率の先生/ツアーを企画した学校担当者/課題を出したマーケティングの先生のだれのコミュニケーションもうまくとれておらず時間はかなり押しているし、何なら到着時間からして誤認があったらしく遅れて到着したことになってしまった

こういう機会はなかなかないので、学校側の事前準備ももう少し綿密に練っていてほしいと思った…