私が唯一ほかの人よりも自信をもってできるといえるのはダンスだ
もちろんプロとは比べられないけど
小学校1年の時に近所のジャズダンス教室に通い始めてからというもの、途中で何度か中断した時期があったとはいえかれこれ20年以上続けてきた
もちろん見るのも好きで、宝塚とかディズニーのショーやパレードにドはまりした時期もあった
何ならディズニーのダンサーになりたいなと本気で考えていたこともあった
結局ダンサーではなくてキャストをちょこっとやっただけだけど
で、今ならまだ時間があるのでマドリードでも何かダンスできないかな~と思いいろいろ探してみた結果、とりあえず昨日一つ体験レッスンに行こうということに
ジャズダンスの中でもいろいろジャンルというかニュアンスの違いというかがあって、私がやっていたのは本当にジャズの音楽に合わせて踊る、動き的には崩したバレエみたいなんだけどブロードウェイやミュージカルのダンスも近そうで微妙に違うという系統のもの
これが意外と見つかりにくい
日本でも私の通っていたスタジオや、先生が属するカンパニーがドンピシャで、ちょっとでも外れるとあんまりしっくりこない
ジャズダンスでもポップスに合わせて踊るものや、ガールズに近いダンスとかは違うんだよな~
ということで昨日もそんなに期待していて行ったわけではない
レッスンの構成としては日本と同じで、ストレッチやその他もろもろをやった後に振り付けに入るというもの
振り付け、やっぱり思っていた通りあんまりツボにはまらなかった
日本でのクラスでは、曲にピッタリはまるような振り付けで踊っててめちゃくちゃ楽しかったのに、こちらのは別にどの曲でも特に変わらないような振りでいまいちピンとこない
ステップもそんなに難しくないし、なんというか芸がない
生徒さんたちはどうかというと、中級というよりも初級に近いかなというかんじ
電話した時に初級じゃなくて中級~上級のクラスですよね?と確認をとって、はい中上級ですと言われた割にはあまりレベルが高くない
それで生徒さんをちょっと観察してみたのだけれど、そういえばスペインってこういうかんじだったな~と思いだした
例えば3列になってスタジオの端からはしまでステップを踏む練習のところでは、単純なステップにも拘わらず脱落者多数で、なかにはどさくさに紛れてわきっちょでごにゃごにゃやって一回も練習に参加しない人も何人かいた
それからおそらく以前から難しいと評判のある動きをコンビネーションのところで取り入れたらすかさず「えーそれできない!」
そしてその「それできない」をそれぞれがとなりの人と共有するんだよね
できないという前にそもそもやろうとしてもないでしょうが
今までスペイン人の集団に何度も紛れ込んだ経験からすると、特に女性に特有なんだけど、「そんな難しいことできないよね?よね??」という面倒なやりとりに結構遭遇してきた
その裏にはさらに、「そんなこと」ができる人に対する嫉妬や軽蔑も含んでいる
日本社会ではよく出る釘は打たれる、と言われるし、確かにそれもそうなのだろうけど、スペインもやっぱりちょっと違ったニュアンスにしても出る釘は打たれる、というか妬まれるのである
そして努力はおろかやってみようともしないで「まあこんなもんでいいだろ」というやっつけ仕事が完成する
日本のダンスレッスンだって、生徒さんは私も含めて趣味でやっているだけだしうまくなったからと言ってプロに転身するわけでもない
けど目標を高めに設定してそれが達成されたときの気持ちよさと、やっぱりせっかく習っているのだからうまくなりたいという意志はみんなの中にあったと思う
だから先生がちょっと曲の調整をしているときなどちょっとした空き時間にもターンの練習したり鏡見て振りの復習したり、それから先生もそれにあった細かい指導をしてくれたりしていた
こっちのスタジオは、生徒さんは踊るのが目的なのではなく、バルに行ってお友達とわちゃわちゃするみたいな感覚でリラックスしに来ているだけなのだろう
というわけで、昨日は不完全燃焼のまま帰途につく
レッスンは1時間なのに往復で3時間以上かかったので、もうこのスタジオに通うことはないだろう
そして今後のダンススタジオ選びがちょっとおっくうになってしまった