人生いちどきり

後悔先に立たず!美食の街、サンセバスチャンの大学院でソムリエのコースを修了後、スペイン人と結婚して現在マドリード暮らし

Basque Culinary Centerについて

私は今サンセバスチャンにあるBasque Culinary Center バスク・クリナリー・センターというところの大学院に通っている

学校での授業は月曜から木曜の4日間午後の5時間で、始まったのは今年の1月、終了するのは今年の6月である

その後は学校が紹介してくれたインターン先で3か月の職務経験を経てようやく修士号の取得となる

学校の正面はこんな感じ

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こちらはまた別の日にとった朝焼けと学校

この変わったデザインはお皿を重ねた様子をイメージしているらしい

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スペインの大学院には大きく分けて2種類あり、1つは公立、もう一つは私立である

公立の方は研究が目的で入学のハードルも高い

私の通っているのは私立のほうで、こちらはどちらかというと実際の職務で使用する技術を取得するのがメイン、一応入学試験はあるけど実際お金を払えばほとんどが入学できるということが多い

 

バスク・クリナリー・センター(BCC)は美食の街、サンセバスチャンの中心地からバスで約20分ほどの場所に位置しており、ほとんどの学生はサンセバスチャン市内に住んでいる

まだ学校としては若く設立から15年もたっていないが、すでに多くの優秀な若手料理人を何人も輩出している

大学院以外にも学部も存在していて、4年かけて調理やレストランの経営についてじっくり学ぶらしい

調理学校で大学の資格が取れるのはなかなか珍しい

 

私が行っているのはソムリエ・ワインマーケティングコースで、コースの内容は大きく分けて3つに分かれている

【ブドウ栽培~ワイン醸造、ソムリエとマリアージュ、マーケティング】

この3つの授業を日々かわるがわる受けているといった塩梅

専門の講師が各分野ごとに1人ずついて、彼女たちの授業を受けることももちろんあるのだが、魅力は何といっても実際の醸造家やソムリエ、マーケティング分野の専門家など数多くのゲスト講師が訪れて授業を行うこと

例えばD.O.Ca リオハで長年マーケティングを担当していた人や、ワイナリーのオーナー、三ツ星レストランムガリッツのソムリエなど多角的な視点からワイン業界を解説する

更にコースに含まれる内容として今までナバラ、リオハ、カタルーニャのワイナリーやブドウ畑を見学し、今後はヘレス、リアス・バイシャス、ボルドーに行く予定である

日帰りのツアーもあれば、1泊もしくは2泊するものもあり、BCCの学生が来るということでワイナリー側も普通の観光客には見せない部分や技術的な解説をしてくれるのもポイント

授業はすべてスペイン語で、そのほかの言語は一切使用しない

 

今のところこのコースに点数をつけるとしたら、10点中7.5点といったところかな

評価すべき点は、やはり上記に挙げたように様々なワイナリーを実際に現地に行って見学できるというところと、いろいろな角度からスペインのワイン事情を学ぶことができる点

2.5点は、やはり私立の大学院ということもあって学生の学力というか能力に結構差があるというところでマイナスにした

(ちなみに生徒は現在11人で、そのうち6人がスペイン人、ラテンアメリカからは3人、非スペイン語圏からはアメリカ人の男の子と私の2人のみ)

学生のバックグラウンドに多様性があることは逆にいいことだし、スペイン人だけではなく他の国の生徒もいること自体は面白いと思う

クラスメートも別に悪い人たちというわけではなく、クラスが終わったら飲みに行ったり踊りに行ったりするくらいの付き合いもある

ただ何というか、これはスペインのお国柄だと思うのだがただ自分自身の怠慢が原因なのに試験や提出物に対して文句ばっかり言うことが多い

例えば先月の時点ですでに出されていて今日が提出日だった課題に対して(しかも下書きの提出で強制でもないし、本提出はまだ5月と先の話)、一昨日になってクラスの一人が「私たちあの課題の提出結構ギリギリになっちゃうよね?みんなで提出日延ばしてもらわない??」とグループチャットに投げかけてきたり、あるテストの前日も「こないだ先生から送られてきたまとめノート、ぐちゃぐちゃすぎて全然意味わかんなくない!?」とグループにチャットしてきたのだが、非ネイティブの私でも逆に何がわからないのかがわからないくらいきれいにまとまったノートだったし、ただテスト受けたくないから駄々こねているようにしか見えなかった

しかもさらに意味の分からないことに、最終的に課題の提出日が2週間ほど延びたんだよね

スペインって本当によくわからない国だと思う

あとは別にクラスメートで競い合う必要なんて全然ないのにいろいろな場面で競争心をむき出しにした目を私だけに限らずクラス中に向ける人もいて結構やりずらい

あまりいろいろ挙げると悪口みたいになってしまって嫌なのでここら辺にしておくが、日々あれ???とひっかかることがある

別に飲みに行くだけの関係だったらそれまでなのだが、同じ教室で同じように学ぶ(と言えるのかどうかも微妙だが)仲間として切磋琢磨できるような人はあまりいない

こういう点に関して唯一共感してくれるのはアメリカ人の男の子で、彼がこのコースにいてくれて本当に良かったと心から感謝している

 

でも何度も言うけれどコースの内容自体はとても興味深いし、毎日いろいろなゲスト講師の話が聞けるのは非常に貴重な体験だと思う

場所もサンセバスチャンで美食の街なので、どのバルに入っても必ずおいしいし、バスク地方は物価は高いけどめちゃくちゃ住みやすい街でかなり気に入っている

もし万が一入学を検討している方がいれば参考になれば幸いである