2日目は朝からペネデスというカタルーニャを代表するもう一つの地域にあるワイナリーを見学
1軒目はCan Rafols dels Caus
どうもツアーガイドの予定だった人がコロナになってしまったらしく、急遽別の醸造家が引率してくれることに
ワイナリーの外見はこんな感じ
こちらは以前使っていたという醸造所
代々受け継いできたというけれど、こういうのって莫大な相続税とられそう
今使っているというワイナリーはこちら
まさかの入り口の扉が重たい石の自動扉で、中に入るとスロープになっているので何かのアトラクションのキューラインのような感じだった
奥には貯蔵所があったのだが、こちらはどちらかというと見学用とのこと
実際にはこの部屋はあまり貯蔵には向いていないので今後もう少し手を加える予定らしい
テースティングの時間はわざわざチーズとサラミ、それにパンとオリーブオイルとトマトを用意してくれていた
このワイナリーは28種類ものブドウ品種を育てていて、その分ワインの種類もめちゃくちゃ多い
キャメロン・ディアスがバルセロナに寄った時に入ったバルで飲んだ白ワインが気に入ったらしく、そのままその白ワインをつくったこのワイナリーを訪れて彼女がアメリカで売る用のワインを作ってもらうように契約を結んだらしい
確か白、ロゼ、赤をテースティングしたと思う
Gran Caus Blancoという白ワインは骨格がはっきりしていてとてもおいしかった
2軒目はワイナリーではなく、カバ規定委員会(Consejo Regulador de D.O. Cava)を訪問
カバは主にスペインのカタルーニャ地方で造られている発泡ワイン
シャンパンと同じ製法で造られている
このブログでも何回か書いているようにカバの消費量、輸出量ともに減少傾向で、イタリアのプロセッコにぐいぐい追い抜かれているのが現状
規定委員会はもちろんこの状況に危機感を持っていて、どうやってそれを打開するか現在試行錯誤中とのことだった
例えば今ある熟成規定を見直してもう少し長く設定したり、生産地の中でもサブゾーンに分けてそのサブゾーンをラベルに表示できるようにしたり…
ただ瓶内二次発酵であるということに誇りを持っていて、歴史がほかのスパークリングワインよりも長いことを自負しているのであまりに大々的な変化を加えるのには躊躇していると言っていた
やっぱりそのバランスをとるのが難しいよね~
そもそもワインを好んで飲む人もそこまで多くないうえにスパークリングとなると限られたシーンでしか頼まないことが多いし…
それからもう一つの問題は、カバ規定委員会との相性が合わず出て行ってしまうワイナリーが結構いるということ
カバから出て行った醸造家たちが新たに作り出したCorpinnat(コルピナット)というグループがあって、この人達が作るスパークリングは正式にはカバではない
ただ海外市場からするとスペインのスパークリングはすべてカバだと思われることが多いし、そもそも輸出市場はカバかそうでないかはあまり気にしていないと思う
それどころかカタルーニャからやってきたスパークリングが1つはカバ、もう一つはコルピナット、さらにペネデス・クラシックという分野もあるので消費者の混乱につながりかねない
そうやって細分化して隣人同士で競争するよりも強力してほかの国のスパークリングと戦った方が勝率は高いとカバは考えているのだがなかなかうまくいかないらしい
皆さんはカバと聞くとどういうイメージを持っているのでしょうか??
これからカバもプロセッコに負けずに頑張ってほしいなあと思った次第だった
3軒目はParés Baltà
このワイナリーが今回の見学ツアーで一番気に入った
何がよかったかというと、まずツアーを引率してくれた醸造家の知識の多さとワイン造りへの情熱、ビジョンがはっきりしているところ
それから普通の観光客には見せないような畑を特別に見せてくれたこと
ワインの質も言わずもがな非常に高かったこと
テースティングルームでは自分達のワイナリーでどんなワインを扱っているかパンフレットを一人一人に配ってくれるなど、細部まできっちりしていたところ
入り口はこんな感じ
カタルーニャにいながら建物の造りはアンダルシアっぽかった
まず車2台に分かれて畑に連れてってもらう
このワイナリーはビオディナミ農法をとっている
ビオディナミとは月の動きを取り入れた農法で、カレンダーでいつ何をするべきか明確に決まっている(それにどの程度従うかはワイナリー次第)
自然と土に気を配る農法で、もはや哲学とか宗教とか言われたりもしている
この畑を見てわかる通り、全くの土ではなくて草に覆われている
こうやっていろいろな植物をわざと生えさせることで、収穫期の洪水の際も水はけがよくなり問題なく収穫ができたという
なので平地に土地を区切って更地にして畑をつくるのではなく、山の中に少しずつブドウを植えていく、という手法をとっている
この畑を見た後さらに四駆で山の上まで
道中道なき道を進むのだが窓が開いていたら車から振り落とされていただろうなというくらい険しい山道
そしてたどり着いたのがこの景色
ペネデスを一望
奥の方には海も見える
そしてここでこのワイナリーのカバをいただく
これだけではるばる日本からここに来たかいがあったなあとしみじみ
テースティングでは白、赤、ロゼ、カバ、そしてオレンジワイン
赤ワインは引率してくれた醸造家の名前をとってMartaというのだが、彼女がこのワイナリーに嫁ぐ1年前に現在の夫から君の名前を付けたワインを出していいか?と聞かれたとのこと
なんだかロマンチックなプロポーズ
このMartaというワインと、畑でとれたオリーブを使って造ったオリーブオイルを購入して2日目の旅程は終了
3日目は最終日、スパークリングの生産者Gramonaを尋ねました
その様子はまた別記事で!