昨日から3日間、カタルーニャへワイナリーツアーにやってきた
1日目はプリオラート
プリオラートはスペインの中でもリオハと並んで唯一のD.O.Ca、つまり原産地呼称の中でも一番上の称号を持つ地域で、カタルーニャのバルセロナから少し西の方に位置する
もともとほかのスペインの地域と同じように古くからワインを作っていたのだが、だんだんと人口も減ってきてブドウ畑も放置されていた
そんななかプリオラートの土壌に注目した5人の若いワイン醸造家がやってきて革命を起こしたというわけ
土壌は独特で、リコレーリャという赤い粘板岩
割れやすく、ブドウの株が水を探してどんどん奥深くまで根を張っていく
そうやって少ない水を使って成長したブドウは凝縮された風味を持つワインになるというわけ
最初のワイナリーはFerrer Bobet
このワイナリーに着くまでにバスで30分ほどこんな山道をジグザグジグザグ
着いた頃にはあまりの曲道にすさまじく酔ってしまった
でもそのかわり景色は最高
このワイナリーでは醸造の過程を中心に見学
建物はとてもモダンで、特にテースティングルームが絶景
こんな絶景を見ながらワインが飲めるなんて、酔いながらここまで来たかいがあったというかんじ
このボトルは市場に出ていないらしく、このワイナリーまで足を運んだ人にしか出していないという
比較的このワイナリーのワインは他のプリオラートのワインと比べて果実味が強いのが特徴
ただしこのワインはどちらかというと伝統的なプリオラート式ワインで、深みと複雑さが特に際立っていた
2つ目のワイナリーはBodega Vall Lach
こちらのワイナリーは小さな村に位置していて、一見するとまさかこの建物の中でワインを醸造、熟成しているとは思えない
去年スペインでものすごい大雪が降ったのだが、その影響でワイナリーの天井の大部分が落ちてしまい去年のワインの多くを失ってしまったとのこと
そのためワイナリーツアーもこのところ全然受け入れることができなかったという
やっとのことで除所に改装工事が終わりつつあって、久々のツアー受け入れだとのこと
まずは彼らのブドウ畑がよく見える丘の上まで車で移動
彼らはプリオラートの人口が減ってどんどん廃れていくことに対して危機感を持ち、放置されていた畑にまたブドウを植えてワイン産業をもう一度復興させることで雇用を生み出し、今では以前の倍以上の人口が戻ってきたとのこと
地域に根差したワイン造りをモットーに様々なプロジェクトに取り組んでいる
例えば改造中のワイナリーの一角に一種のデイサービスのようなものをつくり、おじいちゃんおばあちゃんが自由にボードゲームをしたり、若者と交流したり、お年寄りを排除しないようなコミュニティをつくるプロジェクトを計画中らしい
先ほどの建物のほかにもう一つ熟成所があり、そこには年代物のワインがずらりと並べられている
こういう場所をスペイン語ではcementerio、つまり墓場という
ここで2001年ものの赤ワインをテースティング
プリオラートの中でもさらに頂点に位置するGran Vinya Classificadaというカテゴリーのもので、20年以上たった今でも複雑さと奥深さを十分に保っている素晴らしいワインだった
それからこの建物の屋上ではvino de rancio(意図的に酸化させたワイン)と甘口ワインを試飲
甘口ワインはわらの上に何日か天日干しにしたブドウで造ったもの
酸化ワインは街をぐるっと見渡せるこの場所にワインを保管して、日光でわざと水分を蒸発させアルコール度数をあげることで望ましくない微生物の活動を止めながら酸化させるという方法をとっている
まさにスペインの小さな村という感じで観光ではなかなか来れないような場所に来れたのがかなり貴重な体験となった
2日目のレポートはまた別記事で!