人生いちどきり

後悔先に立たず!美食の街、サンセバスチャンの大学院でソムリエのコースを修了後、スペイン人と結婚して現在マドリード暮らし

観光立国スペイン

スペインの主要産業は観光です

街を歩いているとそこらじゅうに観光客を見つけます

世界的にみても訪問者数で第2位だったかな

とにかく観光でもっている国です

 

先週の土曜日はヨーロッパチャンピョンズリーグの

決勝戦がマドリードで行われました

前の週から中心地ソルの広場には

特設ステージがせっせと組み立てられ

金曜~土曜にかけてものすごい勢いでヒートアップしてました

私の職場はまさにソルにあるので

毎日毎日人混みを通り抜けて

それはそれはストレスがたまる一方でした

sol

さて、当日になってなるべく中心地は

避けて暮らそうという考えで動いてましたが、

油断したばっかりにちょうど試合が終わる時間のメトロに

乗ってしまいました

嫌な予感的中

今回のCLは両方ともイギリスのチームだったので

街はイギリス人まみれだったのですが、

途中の駅から大量のイギリス人が

酒を片手に車両へなだれこんできました

案の定車内は乱痴気騒ぎに

メトロの天井をばんばんバンバン叩きながら

大声でチームの歌を大合唱

まわりにいたスペイン人たちもあからさまに迷惑そうな顔

翌日街は荒れ逮捕者もちらほら

 

スペインは観光でもっている国です

スペインから観光を外したら

今でさえがたがたなのにもう国として崩壊するでしょう

観光で持っている国って基盤が非常に危うい

なぜなら観光業はまわりの環境に左右されやすい

不安定な産業だからです

ただし一方で結果が見えやすい産業でもあると思います

スペインの観光ブームが始まったのは

フランコの時代、奇跡の経済成長を遂げた60-70年代

このころからスペインはなにも変わっていないのです

 

短絡的な利益を求めるこの国は、

観光業でさえうまくまわすことができない

さきほどのイギリス人のように、

もはやお客様とよべるような状態ですらない人々も

とりあえず受け入れる

まわりの国から見ればスペインは

現実逃避のお祭り騒ぎにちょうどいい国

ソル広場はステージが設置されている期間

歩くのも厳しい状態になってました

それからあからさまにホテルの値段をあげる

この日は普段人が来ないような郊外まで

1泊600€くらい平気でとってました

観光業しかないからこういうときに必死こく

余裕のなさが端からみているとみっともない

 

私自身旅行会社で働いていますが、

旅行ってこんなもんでいいのだろうか

これを旅行とよんでいいのだろうかと時々疑問に思います

日本人はだいたいマドリードではプラド美術館、

そのあとバルセロナに直行、サグラダファミリアを見物

そして帰国

このパターンが圧倒的に多いです

べつにサグラダファミリアが大したことないと

いっているわけではありません

私も行ったことありますがなかなか壮大で

一見の価値はあります

ただ、旅行ってそうやって

みんながいくところをなんとなく見て

行った気分になって終わり、そんなんでいいのでしょうか

 

私はSecretos de Madridというお気に入りのサイトがあります

www.secretosdemadrid.es

その名も「マドリードの秘密」

有名な観光地ではなく、マドリードの日常を

美しく切り取ったサイトです

このサイトはパンプローナ出身の男性が

趣味で始めたようなブログで、今や本まで出ています

私も本を買って今読んでいるところです

マドリードの知られざる歴史や

道の名前の由来などなかなか読み物として面白い

 

私が思うには、少なくとも旅行をする前に

あらかじめその土地がどんなところか、

どんな人たちが住んでいてどんな言語が話されているか

名物の食べ物はなにか、どういう歴史をたどってきたか

等少しでも知識を入れて赴いたほうが

断然旅が楽しくなると思います

なんでもかんでもガイドや添乗員さんに任せるのではなく

そうやって自発的に街を歩いたほうが

よっぽど楽しいしためになる

 

先日マドリードにきて、

「サクラダファミリア行きたいな~」

と言っている観光客がいました

もう勘弁してくれよと思いました