サンセバスチャンは美食の街、どのバルに入っても99パーセントの確立で必ずおいしいものが出てくるといっても過言ではない
そんななかで半年の滞在でおいしくてリピートしたバル、雰囲気がよくて何度も立ち寄ったレストランやカクテルバーを紹介しようかと思う
あくまでも個人的な感想なのでそこらへんよろしくです~
①La Cuchara de San Telmo (旧市街)
旧市街には600軒のバルがあると聞いたことがあるのでさすがにすべてのバルに入ったわけではない
いくつかピンチョスのはしごをしたりクラスメートと食べに行ったりした中で一番おいしいと思ったバルはこちら
旧市街でも奥の方に位置していてちょっと見つけにくいのだけれど、週末にもなると13時過ぎには店内に人があふれかえって外に行列ができているという有名店
日本のガイドブックにも絶対載っていると思う
そういう有名店って質がまあまあなわりに値段が高くて結局がっかりするということが結構あるけど、このお店のピンチョスのおいしさには顎が外れるかと思った
たこは外はかりかり、中はしっとり、ソースも完璧でいうことなし
お肉はナイフなんて必要なし、口に入れた瞬間にとろけるくらい柔らかい
値段は安いほうとは言えないけれど、この質の食事が提供されるなら全然払ってもいいというレベルのバル
②Bar Esnaola (中心地~アマラ)
このバルはただ単に住んでいた家から近くて、毎日バス停に行くのに通っていたところ、いつもずいぶん地元民でごった返してるな~と思いある日入ってみたらめちゃくちゃおいしかったというバル
店内はザ・ドノスティ地元バルという感じで、地元サッカーチームレアル・ソシエダの旗が大きく掲げられている
お客の年齢層もちと高めで、昔からある行きつけのバルという感じ
場所も旧市街ではなく中心地よりちょっと南のほうにあり、観光客はあまり入ってこないだろうという雰囲気
ここの何がおいしかったかというと、ロシア風サラダ(ensaladilla rusa)と豚皮揚げ(torrezno)
ロシア風サラダはスペイン各地のバルどこ行ってもある定番メニューの一つで、マヨネーズとツナが多めのポテサラみたいなかんじ
グリーンピースやニンジン、カニ缶が入っていることもある
この定番メニューをおいしく作るのって逆になかなか難しいのだけど、ここのは水っぽくなく具材一つひとつが生きていて塩加減もばっちりなピンチョスになっていた
それから豚皮揚げというと私のかなり苦手な分野に入るのだけれどこの私でも手が止まらなくなるくらいおいしい一品だった
全然脂っぽくなく一切れが小さいので食べやすい
地元の雰囲気を味わいたかったらこのバルかな
③Bar Matalauva (グロス)
このバルもある日何となく入ってみたらかなり個性的でおいしいものを出していたので思わずまた次の日もリピートしてしまったというバル
面白いのは各ピンチョスで、バスク地方の伝統的なピンチョスを出しつつそれに一つ手を加えているというところ
例えば先ほどの豚の皮揚げは、厚めの豚バラをこんがり焼いたうえに皮の部分をパリッと揚げて上にかけていたり、バスク地方超定番デザート、イディアサバル(チーズ)&マルメロのジャム&クルミを頼むとイディアサバルがクリーム状になって出てきたり…
それもそのはず、このバルのオーナーはあの三ツ星レストラン、アケラレの商品開発部出身なんだそうだ
店内はかなり狭くよく目を凝らしていないと見逃してしまいそうなバル
④Arraun Cocktail Bar (旧市街)
今度はカクテルバー
このお店の良い点は雰囲気がしゃれているけれど決して入りにくいわけではないというところ
旧市街でも海岸に近いほうの裏路地のようなところにありちょっと見つけにくい
バーテンダーもかなりプロで、カクテルバーにありがちなシャカシャカするやつをくるくるなげたりお酒のボトルを手で回したりといろいろとやってくれる
私はカクテルはあまり詳しいほうではないので味がどうとかはなんとも言えないけれど、私が試した限りでは結構おいしいと思った
そのあとマドリードでもカクテルバーに1軒行ってみたけど、そちらのカクテルは結構甘いなあというのがもっぱらの印象だった
食事は出していなくてもっぱらカクテルもしくはビールやワインのみ
店員さん、2回目来店したときに前回私がどこに座っていたか覚えていて、そんな数か月前に1回だけ来店した客のことを覚えているという記憶力にも感銘した笑
⑤Akari (中心地~アマラ)
これは日本食料理屋で、家から走って30秒くらいのところにあった
このレストランの良いところは、バスク料理と日本料理をかなりうまい具合にフュージョンされているという点
よく韓国ハーフのアメリカ人のクラスメートと、授業中よく先生が発する「アジア料理とのマリアージュに最適」ってなにそれとよく言っていた
アジアの料理の中でも当然韓国料理、中国料理、タイ料理、ベトナム料理、日本料理、インド料理など様々あるわけで、日本酒がヨーロッパ料理のマリアージュに最適と言っているようなもんだといつも憤慨していた
そしてスペインでは価格帯が安いレストランから高級レストランまで何かと日本料理や中国料理とフュージョンしたがる
だいたいそういう時は醤油を加えるか、四川風万能ピリ辛ソースを加えるかで、それだったら日本で日本料理もしくは中華料理を食べたほうが断然おいしいということがほとんど
前置きは長くなったがこのレストランのオーナーは日本人夫妻で、当然のことながら日本食についてはそこら辺のスペイン人よりもよく知っている
そしてバスク料理に関しても相当な知識を持っている
そんなオーナーが作るスペイン和食はうどんにガスパチョをかけたり牛テール(rabo de toro)が角煮風の味付けになっていたりと創作性抜群
それからランチメニューも結構面白くて、カツカレーや天丼が楽しめるのだがカツカレーにはレンズマメが入っていたりとやっぱりひとひねり加わっている
⑥Kai Sushi Bar (中心地)
同じく日本食系列でいうとこの「海 寿司バー」
ここのオーナーシェフはペルー人で、彼は以前ペルーの日本大使館で大使専属料理人だったという
あとは北海道でも修行経験があるらしく、そこらへんの適当に作っている日本食料理屋とはちょっと違う
ここは寿司バーではあるのだけれど、私が食べて感激したのはラーメン
マドリードにもラーメン屋はいっぱいあるけれど、こんなに優しくて深みのある豚骨ラーメンは初めて食べた
肝心の寿司のほうはというと、種類もたくさんあっておいしいには違いないんだけど、なぜかすべての寿司を炙ってくる
ので全部同じ味に感じてしまって、炙りが利きすぎてちょっと焦げているところもありで寿司よりもラーメンのほうをお勧めしたい
ワインリストは結構充実してて、オレンジワインも置いてあったのでワイン好きの人も楽しめるレストランではあると思う
⑦Bagazo Gastro Bar (中心地)
ここは今紹介した中でも私的に上位に位置するガストロバー
このバーも通りかかって何となく雰囲気がよさそうだから入ってみたら当たりだったバーで、一応カクテルバーではあるんだけど料理のほうにも結構力を入れている
バスクやスペインの伝統的なピンチョスにひとひねりきかせているものがメインで、例えばスペイン風コロッケでも中身がさっきのイディアサバル&甘い玉ねぎ炒めだったり、ビーツにブルーチーズを加えたりとおしゃれな一品がずらり
それから店員さんもめちゃくちゃ感じがよくて、私がBCCでワインの勉強をしているというとワインやベルムーを試飲させてくれたりと気の利くおねえさんで、2回目に来店した時も数か月前のことなのにそのことを覚えていてくれていろいろとまた出してきてくれたりした
この店員さんがごり押しのベルムーがあって、なぜかというとまず彼女の出身地の近くで生産されているからというのと、ベルムーコンテストで金賞をとったので味も間違いなしというのと、あとボトルがかわいい
洗って何度も使えるデザインだからこれにただ水を入れてホームパーティーとかでサーブするだけでも周りをあっと言わせられると思う
これ日本で売ったら結構売れると思うんだけどな~
お姉さんから直々にワイナリーのコンタクトをもらったので滞在中に行けたらいいなあと思っている
それ以外でもカクテルバーというだけあってバーテンダーのお姉さんがこれまた金賞か銀賞をとったカクテルをサーブしてくれたり、BCCでカクテルのコースをとっている見習いの青年がいたりとおしゃれバルなんだけど親しみやすいし料理もおいしいという三拍子そろったバル
⑧Geltoki (中心地~アマラ)
これはケーキ屋さんで、これまた家の近くにあってたまたま入ったお店
サンセバスチャンはフランスと近いこともあってかデザートもめちゃくちゃおいしい
バスクチーズケーキは言うまでもないよね(ちなみにバスクチーズケーキ発祥のバルでチーズケーキを食べてみたのだけれど、あんなおいしいチーズケーキ食べたことないというくらいふわふわでおいしかった)
マドリードはいかに材料費を節約するかを考えて作られたデザートが多く、例えばチーズケーキでもチーズを極力使わないようにするとか、生クリームを極力入れないようにするとか
サンセバスチャンはそこは惜しまずおいしいと思う量を存分に使う
このお店はどうやらサンセバスチャンのケーキ屋さんでもかなり上位に位置しているようで、ケーキを食べてもよし、クロワッサンを食べてもよし、コーヒーだけ飲んでもよしなお店
イートインスペースもあるのがうれしい
番外編:ドノスティっ子が集まってご飯を食べるといえばこの2軒
- Juantxo (旧市街)
旧市街にあるピンチョスのお店
このお店が好かれる理由はスペイン風オムレツを挟んだめちゃくちゃ大きいサンドイッチ(bocadillo de tortilla)
この類のサンドイッチはスペイン中どこにでもあるのだけれど、あの大きさはなかなか見たことがない
値段も結構良心的
クラスが始まって初日にサンセバスチャンの子に連れられて行った思い出深いバルで、そのほかにも何かと地元の人とごはん行くとなるとこのお店がまず選択肢にあげられる
ちなみに旧市街の有名なバル、ガンダリアスの親戚(息子だったかな?)が経営しているらしい
- Bar Campero (グロス)
このバルもJuantxoほどではないけど地元の子たちが集まるとここにしようとなることが多々あるというバル
マラガ出身の人がオーナーらしく、南のほうでよく食べるモジェテという丸い柔らかめのパンにいろいろな具材が挟まっているというもの
こちらも値段が良心的かつボリュームもめちゃくちゃ多く、高いピンチョスをちょびちょび食べるよりもこういうボリューミーなものを安くがっつり食べるのが地元っ子流なのかなと思う
スリオラビーチの目の前で、サーファーがしょっちゅう目の前を行き来する
サンセバスチャンに行く機会があればぜひ参考にしていただけると嬉しいです!