人生いちどきり

後悔先に立たず!美食の街、サンセバスチャンの大学院でソムリエのコースを修了後、スペイン人と結婚して現在マドリード暮らし

Spanish Wine Scholarに合格した話

あと10日もなしに今年が終わりますね

私は最近はこまごまとした渡航準備に追われております

前回のワーホリの際も書いたのですが、役所での手続きなどもまとめて今後記事にできればと思っています

 

ところでタイトルにもあるように、先日Spanish Wine Scholarという試験をオンラインで受けました

その結果が先日来て、無事合格したのでちょっとどういう試験だったか書いてみようかなと思います

 

SWS

Spanish Wine Scholarとは

その名の通り、スペインワインに特化した検定です

アメリカのWine Scholar Guildという団体が主催している検定で、スペインワイン以外にもフランスとイタリア、さらにもっと細かい地域やシェリーなどに特化した検定が用意されています

検定以外にもワイナリーツアーやウェビナーなど、さまざまな企画を開催しているようです

WSETがイギリスだったので、てっきりイギリスの機関だと思っていたのですが、受講申し込み後の請求書の住所に「ワシントン」の文字があるのを見て初めてアメリカの機関だと認知しました笑

www.winescholarguild.org

この検定を知ったのは、先日このブログでも紹介したWSETの勉強でよく参考にしていたYouTubeの先生の経歴を調べていた際に"Italian Wine Scholar", "French Wine Scholar"にならんで"Spanish Wine Scholar"の文字を発見し、そんな検定があるのか~と思ったのがきっかけです

WSETの試験を7月に終えて、在宅勤務で今までWSET用に勉強してきた朝の時間がぽっかり空いてしまったので、何か新たに勉強できないかなあと思いいろいろ探していたらこれにたどりつきました

vidasolohayuna.hatenablog.com

この先生はもちろんプロフェッショナルの方なので、私なんかが受けられるような検定ではないのでは、、と思いましたが、検定のページを見てみると単なるWine Loverでも大歓迎とのこと

どこかのワインスクールに通うことなく、アメリカから送られてきた教科書で自学自習をし、自分的に準備が整ったと思ったときにいつでもオンラインで試験が受けられるという点に魅力を感じました

また、いつも私がなんでも決断する際に重要視するのが問い合わせに対してどのくらいのまじめ度&速度でレスポンスを得られるかというところですが、こちらも私的にはかなり合格でした

全て英語ですがテイスティングや筆記の試験はなく、全100問の選択問題のみで合否が決まります

この辺も足を踏み入れやすいポイントでした

更にバックアップに各国の大使館や政府機関が入っており、日本でもItalianとFrenchに関しては大手ワインスクールでも受講できるような提携がなされているようだったので比較的安心して受講を決意することができました

実際に受講してみると…

おそらく現時点では日本でSpanish Wine Scholarを教室で学べる場所はないのではと思います(上記の通りFrenchとItalianを開催しているスクールがあるのは目にしましたが)

よってすべて自学自習になりますが、そのほかにも有料でアメリカの本部の先生が毎回オンラインで決まった日時に全何回かにわけて教えてくれるというオプションもありました

私は時差もあるし、そこまでお金をかけたくなかったのでそのオプションはつけず、全部で600ドル強だったかと思います

 

申し込んだ瞬間から、オンライン教材がすべて閲覧できるようになります

更に1週間ほどするとアメリカから結構分厚い教科書が送られてきます

この教科書がかなり楽しくて、全ページカラーで写真がふんだんだし、英語の文章も比較的読みやすいし、私的にはかなり満足でした

またオンライン教材で各章ごとに先生の解説付きの動画や一問一答みたいなものも用意されており、かなりスペインワインを全体的にかつ詳しく学べる内容なのかな?と思います

オンライン教材ではスペイン全体と、各州ごとの詳細な地図(重要なDOの場所が入っているものや白地図のもの)がダウンロードでき、勉強をする上でかなり役に立ちました

章立ては以下の通りです

chapter

重要なDO/DOCa、気候帯、主なブドウ品種、その地域のワイン生産において重要な影響をもたらした人物、土壌、仕立て方法など、さまざまな視点からの解説がなされています

この教材で勉強していると何がよかったかというと、スペインのラジオを聴いているときなんかに結構ニュースなどで場所の名前が出てくることが多いのですが、すべての州の位置関係も把握できるし有名な地名なら場所も大体わかるようになったのでそこが強くなったかなあと

何度か教科書を読み、重要そうな箇所は自分でノートにまとめて一問一答的なものをつくりつつ、オンラインのほうの教材も活用しつつ、さらにWSETの時のように地図に情報を書き込んで眺めたり…を7月の終わりくらいからぼちぼちやって、12月のはじめに試験に臨みました

試験日が事前に決まっているような検定ではないので、自分のペースで朝2-30分くらいずつゆっくり勉強できたのが結構よかったです

あとはやはりWSETの知識がないと「???」となる箇所がいくつかあったかと思います(半炭酸ガス浸漬法とか仕立て方法とか…)

試験について

試験は自分の準備ができたと思ったら試験希望日1週間以上前に本部にメールで連絡します

そうすると今後必要な手順をすべて説明してくれるので、それに従って試験日の予約→当日に試験の流れです

ProctorUというサービスを利用しているらしく、私はこのサービス、初めて知ったのですが、完全オンライン試験の中でも完璧カンニング防止がなされている結構面白いサービスでした

Wine Scholar GuildがこのProctorUに試験管理の部分は外部委託しているようで、ProctorUの動作環境がないと試験が受けられません(Chromeに拡張機能をインストール&試験を受けるPCのマイクとカメラが問題なく作動することを確認する、など)

予約当日になると、なんと生身の人間に画面の向こう側から「部屋全体をカメラに写して見せて」とか指示されて、かつ自分が見ている画面も向こうにリアルタイムに映し出され、さらにある時にはProctorに画面コントロールされたりしました

これだったらカンニングはよっぽどでないとできないと思います

去年受けた貿易実務検定もオンライン試験でしたが本人の良心に任せるのみで全く監視もなく、カンニングしてる人絶対いるだろうな~という状況だったのに対し、こちらはさすがだなといった感じでした

 

試験は上述の通り100問の選択式で、制限時間は60分です

まあ60分あれば見返す時間を含めても結構時間に余裕はあるかと思います

オンライン教材でやっていた一問一答よりも少し難易度が高く、お?!という問題もちらほら見受けられました

本当に教科書をくまなく読んでいないと全問正解は難しいかなと

 

100点満点中

75点以上 -> pass

85-90.5点 -> pass with Honors

91-100点 -> pass with Highest Honors

となります

 

今回はあと1点のところでHighest Honorsを逃しました…!ちょっと悔しいですが受かっただけでやはり結構うれしかったです!

WSETは広く深くだったのに対しSpanish Wine Scholarは本当にスペインの話題のみで新しい発見も結構あり、これからスペインでワインを大量におそらく消費するであろう私にとっては持ってこいの検定でした笑

あんまり受けている人のブログなどを目にしなかったのでわりとマイナーな検定なのかな?と思ったりもしてますが、ItalianやFrenchも面白そうなのでその国のワイン事情をよりよく知りたい方には非常に楽しめる内容なんじゃないかと思います!