人生いちどきり

後悔先に立たず!美食の街、サンセバスチャンの大学院でソムリエのコースを修了後、スペイン人と結婚して現在マドリード暮らし

ヘレスワイナリーツアー

セマナサンタの大型連休が終了したすぐ次の日から2泊、スペインの南に位置するヘレスへワイナリーツアーに出かけた

これも学校の授業の一環で、前回のカタルーニャに続き泊りがけは2回目

今回は朝5時にサンセバスチャンのバスターミナルに集合、そこからバスでビルバオ→飛行機でセビージャ→バスでヘレス、という工程で、1日目は体力的に結構きつかった

 

そもそもヘレスのワインは日本ではシェリー酒と呼ばれていて、普通に想像されるような白ワインとは少し違った癖がある

フロールという酵母の仲間との接触を経て熟成されたものと、樽の中の酸素との接触により酸化させながら熟成されたものの二つに分けられ、そのほかにも上記2種類の中間のものや甘口のワインとブレンドしたものなど、さまざまな種類の味わいが楽しめる

酵母による熟成はパン生地のような風味、酸化熟成を経たものはトーストのような風味が特徴

 

さて、1日目はまずヘレスで最も栽培されているパロミノ種が栽培される畑を見学した後、ヘレスの中でも一番といっても過言ではないほど有名なティオ・ペペへ

viñedo

アルバリサと呼ばれる独特の土壌で育てられる

この土壌はカルシウムを含む白い土壌で、冬の雨を蓄えた後乾燥した夏に少しずつ水分を放出してくれるこの土地のブドウ栽培にあった土壌である

教科書ではヘレスといえばまずこの土壌を勉強するのだけれど、実際に初めて踏んでみるのはまた別格

さらさらしているのかなあと思ったら、結構もこもこした土壌で(よく室内にある子供用の遊具が置いてある場所の床がゴムっぽくなっていることがあるが、それと似た感触)、さらに足をメリメリ入れてみるとかなり深いところまで足が入っていくような感覚だった

なんだか癖になって何度も踏み踏みしてみる

剪定の方法は、vara y pulgarと言って、こことリオハでしか見られない剪定方法

片方の腕を短く、片方を長くして、1年ごとに交代でブドウの実を実らせる腕を交代させる方法

bodega

案内人のワイナリーへ行ってみる

ヘレスはスペインの南、アンダルシア地方にあるのだが、ここは今私たちがいるバスク地方とは打って変わって太陽さんさん、毎日が晴れみたいな地域

人々の雰囲気もしゃべり方も態度もほかのスペインの人とは異なり、おそらく日本人が想像するザ・スペインに近いんじゃないかと思う

そういう土地のワイナリーはこうして白い壁で塗られていて、お花なんかも飾られている

個人的にはこういう能天気なところもいいけど済むとしたら絶対に北部のほうが緑も多いし最高だと思う、、先週はスペイン北部を旅したのでまたその様子はブログにあげます!

 

ワイナリーを後にして急いで昼ご飯~ゴンサレス・ビアスのワイナリーツアーへ

ゴンサレス・ビアスは有名なティオ・ペペも生産していて、ティオ・ペペといえばマドリードの最中心部ソル広場に掲げられれている大きな看板、定番待ち合わせスポットとなっている

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日本でも輸入食品屋やスーパーなんかでここのシェリー酒が売っているのを見かける

そんなゴンサレス・ビアスのワイナリーには各国の国旗が描かれた樽がずらーっと並んでいる

もちろん日本のもありましたよ~

tio pepe

一通りワイナリーツアーが終わると、様々な種類を展開するシェリー酒をそれぞれテースティング

3時半に起きた上に1日中動き回っていたのでテースティングを10杯ほど行った時間睡魔に襲われまくった

疲れすぎてあまり記憶なし

 

2日目はまずは畑とワイナリー、さらにもう一つワイナリーを見た後昼食でシェリー酒を堪能、最後にテースティングクラスで締めるというこれまたハードな一日

viñedo

アンダルシアの人が、方言も相まって何を言っても面白いのはやっぱりこういうワイナリーの人たちも同じで、前回のカタルーニャの人とと同じような説明をしていてもなぜかあまり真面目にきこえなかった

こちらもアルバリサの土壌で、一面に続く畑と広い空が美しかった

サンセバスチャンではなかなか拝めない青空を楽しむ

 

次はLa Guitaというワイナリーを見学

2日目はヘレスの中でもSanlúcar de Barramedaという、一番海に近い地域を見学

この地域は海が近いので他の地域よりも涼しく、造られるシェリー酒もほかの地域よりももっと酸味が高く軽いワインが造られる

ここのワインは、ほかの地域と同じ製造方法でもシェリーとは呼ばれずマンサニージゃという名前になる

la guita

やっぱりどこも壁が白い

そうでもしないと夏のあの直射日光に太刀打ちできないだろうし…

bodega

どのワイナリーもこうした何百年も使っている樽を使用して木のタンニンがワインに移らないようにしている

ワイナリーに入るとお酢と焦げた木とパンくずのような様々な香りが鼻をつく

床も先ほどのアルバリサと同じような踏むともふもふするアルベロという土で覆われている

この土が湿気を一定にしたり温度を保ったりと重要な役割をもつ

このワイナリーでコップを片手にまだ熟成中のワインも含めてテースティング

まだ樽に入ったばかりのワインは酸味が強く青臭い感じがして全然おいしくなかった

それが年月を重ねるごとに複雑味を増してどんどんおいしくなっていく

 

それからTaberna der Guerritaという食堂を経営する醸造家の案内のもと、Barbadilloというワイナリーを見学する

Barbadillo

何年も前のワインが眠る倉庫

botas

樽の中が見れるように透明になっている こうやって6分の5を満たして熟成する

Barbadillo

Bodega Barbadillo

bodega

先ほどと同じように床に土が敷かれている

Guerrita

昼食はもちろん案内人の食堂で

スペインの好きなところの一つに地方ごとの特色がかなり強いというところがある

それはしゃべり方一つとってもそうで、もはやガリシアはガリシア語、バスク地方はバスク語、カタルーニャはカタルーニャ語という風に標準語のほかに地域の言語が設定されているところもある

料理も地域ごとにかなり違いがあり、今回訪問したアンダルシアはおそらくアラブ料理の影響を受けてスパイスがきいている(バスク地方はたとえばスパイスはほとんど一切使わない)

このお肉もザ・アンダルシア料理で、スパイスがかなりいい仕事していた

 

そのあと1時間ちょっとの休憩の後、また同じ食堂で今度はテースティング

playa

少しばかりの休憩時間で歩いていけるビーチへ

サンセバスチャンのビーチとはまた全然違い、こちらのほうは開放的で空が広い

やっぱり2日目ももりだくさんでテースティングの時にはシェリー酒はもう結構です…という気分になっていた

 

最終日は1つワイナリー見学

Jerez

朝からシェリー酒

こちらのワイナリーはLa Tradiciónという名前で、ほかのワイナリーと違うところは比較的新しく、いろいろなワイナリーから質の高そうなシェリー酒を樽のまま買い取って熟成させ市場に出しているというところ

こうした理由からワイナリー自体は新しいのに年代物のシェリー酒を出したりしている

やっぱり私は生物学的熟成と酸化熟成のいいとこどりのamontilladoアモンティジャードが一番好きだなあ

若々しさは卒業してそろそろ大人の渋みが出てくるかなあという絶妙な感じがおいしい

1日目朝4時に始まり3日目の夜9時に帰ってくるまでめちゃくちゃ濃いヘレスツアーだったとさ