私がスペインにいて唯一居心地の悪い思いをするのが
スペイン人のヨーロッパ中心主義
ヨーロッパが世界の中心、その他に関しては無知無関心若しくは
格下に見ている、という人が多い
もちろん全員が全員そうというわけではないですよ
以前はマドリードの大学に交換留学生として籍を置いていた
で、私の卒論のテーマは近現代史だったので
出席していた授業も歴史のものがほとんどだった
歴史ほどその国の世界での立ち位置を示す学問ってないんじゃなかろうか
というのも「近現代世界史 Historia mundial contemporánea」とか
銘打っておきながら、実際の内容はヨーロッパの歴史だったりした
むしろシラバスからして「この授業ではヨーロッパ史を扱います」
と書いてあってびっくり
じゃあ最初からHistoria europeaといえばいいし、
mundialというぐらいだったらもっと広く扱うべきだと思う
どうしてこんな記事を書こうと思ったかというと
今朝ピソのお隣さんと同じバスになった
この人はとても感じの良い奥さんと一緒に住んでいる、
やはり感じの良い紳士である
バスには35分くらい乗るのだが、この紳士も私と降りる駅がほとんど変わらない
つまり一緒になったら30分は会話するということになる
話を聞くとどうやらこの紳士は敬虔なキリスト教徒らしい
30分のうち29分はキリスト教はいかに素晴らしいか、
キリスト教はどんな教えかをずっと説いていた
彼曰く、世界中で美術が最も盛んな3国はイタリア・フランス・スペインらしい
その美術発展のもととなるのがカトリックだそうな
この3国、世界というよりヨーロッパじゃないか
あーでたでた、ヨーロッパ中心主義と思いながら話を聞き進める
更に曰く、ヒンドゥー教徒やイスラム教徒からは何も生まれていない
人口は多いわりに彼らは自分らよりもだいぶ遅れているし
この世のすべての基盤を作ったのは我々キリスト教徒、とのこと
OMG
普段我々が普通に使っている0という概念もアラビア数字もインドやアラブ起源だし、
スペイン語にもかなり多くのアラビア語起源の単語があることを知らないのかな？
むしろキリスト教もユダヤ教から派生したんじゃなかったっけ？
それ以前にこういった宗教が確立される前に生まれた概念も
いくつもあるんじゃなかろうか？
反論しようと思えばできたけど、朝から討論するのも気が進まないし
なにより宗教に重きを置いている人に、
その信条に水をぶっかけるような発言をした場合
その後の消火活動が結構大変なので黙って聞いていた
キリスト教そしてヨーロッパ＝世界、そう信じて止まない紳士との会話は
いろいろ考えさせられるものがあった
まあどの国も自分の国とちょっとその周辺くらいしか見えてない
日本の場合世界とはUSAを指すだろう
自分だって世界のひとつひとつの国すべてが見えているわけなどない
でも少しでも多くの文化や考えに触れて学び、
できるだけ柔軟でまっさらな頭で相手に向かいたいと思う
